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薄目をあけて川のほとり

やりたいことだけやりたいの

そのハートマーク

主人は人当たりがいい。さらに酔っ払うとすぐ女の人の腰に手を回す。私と初めてサシで飲んだ時もそうだった。付き合っていなくてもそういうことができるタイプだ。

 

子供を実家に預け、転勤先に夫婦で家を探しに行った時に、空港からのリムジンバスの車内で主人のLINEの画面がちょっと見えた。相手側から短いメッセージにマイメロちゃんのハートがたくさんのスタンプ。

 

あーーーーー。

あーーーーーーーー。

 嫌なもの見てしまった。

 

 

以前、主人の携帯を見てしまったことがある。東京に転勤してきてから、自分の飲みにも接待費が使えるようになり、彼の帰りはいつも遅くなった。商売の人か、友人かわからないけど、遊びのやりとりが頻繁になった。サシで飲もうと主人が誘っているようだった。

 

「携帯を見てしまった。」と言えば、その点を攻撃されてしまって論点がずれてしまうので、「LINEの通知が見えちゃったんだけど」という形で、ざっくりまとめて「あんたのその生活態度いいと思ってんの?」と伝えた。

 

その時は、「不安にさせて申し訳ない。連絡をマメにするように心がける。家庭を脅かすようなことは自分もしたくない。」と言っていた。その話はそこで終わった。

 

4歳と2歳の娘は、可愛い。私たちも愛情をもって夫婦で育てていきたいと思っている。

それは主人も同じだという確信はある。そんな話し合いをして半年が経とうかとしている時、話は冒頭のマイメロちゃんのハートマークに戻る。話し合いをしてからしばらくはマメにケアしてくれたが、現在は全然だ。前にも輪をかけて帰ってこない。不安が募っていた時期にこれだ。

 

反省してねえじゃんよ。

 

悔しくてバスの中でちょっと泣いた。主人は具合悪いの?と心配してるが、遠い目で大丈夫と答えるしかなかった。これはどうにもならない。接待費がゆるい会社を私がどうすることもできない。主人の資質を変えることはできない。しょうがない。

 

「高くておいしいものが食べたいんだけど。会社のお金使えるんでしょ?」

 

百貨店の最上階の鉄板焼きでフィレステーキを食べた。なんか、まあいっかって思えた。

機嫌が直り、いい家が見つかり、成果を出して帰ってこれた。

 

私たちを繋いでいるのはお金しかないのだろうか。この生活は確実に続かない。主人も私も年をとる。不満や不安をすり替えるためのお金がなくなったとき、私たちは夫婦という形を維持できるのだろうか。無理だろう。

 

友人から、最強の勝ち組だよね、などと言われるが、実際の家庭の中身なんてこんなもんだったりする。ただバランスを取るのが上手だったり、「どう見られるのが心地いいか」に執着しているだけなのだ。孤独でとても滑稽だ。